会社によっては、女性社員に対して事務服を提供するところもあります。指定された服装があると毎朝コーディネイトに悩まずに済むため便利ですが、決められた服装ゆえの不都合が生じることもあるものです。例えば、冬場に寒さを感じてしまうのもその一つでしょう。
女性にとって厄介な冷え対策には、カーディガンの利用がおすすめです。活用のメリットや注意点などについて、ここでまとめていきます。
事務服だけでは意外と寒い
事務服のデザインは色々ですが、中でもよく見られるのはシャツスタイルにベストを合わせたコーディネートです。下はスカートで女性らしさを強調しています。ただ、こういったコーディネートは冬場に寒さを感じやすいものです。
トップスはシャツとベストの重ね着をしているものの、肩から手首に掛けてはシャツだけの状態となっているため、肌寒さを感じてしまう人もいるでしょう。ボトムスはスカートなこともあり、下半身からの冷えもより強まってしまいます。
冬場はある程度の暖房が効いているとはいえ、厚着とも言えない格好であるために寒さを気にする女性も少なくないのです。
女性は冷えやすい
冬場は基本的に誰でも寒さを感じやすいものです。しかし、女性の場合は寒さをより強く感じてしまう理由があります。一つは筋肉量が男性と比べて少ないからです。筋肉は体を動かす役割以外にも、熱を生み出すという大事な働きも備えています。
ところが、元々筋肉が少ない女性は熱を生み出すことがあまり得意ではありません。それゆえに寒さに弱く、冬場はもちろんのこと、夏場でも冷えに困る女性がいるのです。見た目では分かりにくいため、なかなか理解は得にくいですが、内心ではかなり辛いときもありますよね。
ホルモンバランスの影響も冷えやすさに関係しています。女性の体はとてもデリケートで、月経や排卵などの影響によりホルモンの分泌が複雑に変化しているのです。そして、ホルモンバランスは自律神経とも密接な関係にありますが、自律神経は呼吸器系や循環器系など体のあらゆる働きを司る重要な存在です。
ホルモン及び自律神経に乱れが生じることで、臓器の働きの低下や血行不良などを引き起こし、結果的に冷えも招いてしまいます。こうした事情で元々冷えに強くない上、寒さ対策が十分にできていない事務服では辛さを感じてしまうのも無理はないと言えるでしょう。
寒さ対策にはカーディガンが最適
冷えが辛い時には暖かい服装を心掛けることが大切です。しかし、事務服を着るという決まりがある以上、根本から変えることはできません。そこで、せめてもの対策として取り入れたいのがカーディガンです。
事務服姿の女性の中にはカーディガンを羽織る人も多く、仕事中の寒さ対策として重宝されています。
一枚羽織るだけでも暖かさは大きく違ってくるものですし、手放せないアイテムと感じている女性も多いのではないでしょうか。寒さを我慢するのは精神的にも辛く、業務にも支障が出てしまいますので、仕事を快適に行うという意味でも積極的に活用したいアイテムと言えそうです。
おしゃれを楽しめる
カーディガン導入のメリットは、寒さ対策になることだけではありません。おしゃれアイテムとして使えるのも魅力でしょう。そもそも事務服のデザインがあまり気に入っておらず、できれば着たくないという人もいるはずです。
最近はおしゃれなデザインの物も増えているため、気に入る物が採用されている場合は良いのですが、残念ながらそうではない事務服を採用しているところもありますよね。もう少しルックスの良い姿で働きたい、そんな時にもカーディガンが大活躍です。
トップス全体を良い具合に包み込んで、コーディネートのアクセントになってくれます。事務服自体のデザインを変えることはできませんが、カーディガンならその時々で自分好みの物をチョイスでき、自らのセンスを反映させた格好で働くことができます。
カーディガン選びの注意点
冬場の寒さ対策に便利とはいえ、仕事用に使うこともあり選び方も大事になってきます。まずサイズについて見ていくと、基本的には体にフィットするタイトな物を選択するのが無難と言えます。どこまでファッション性が許容されるのかは職場により変わってきますが、ファッション要素が強まるゆるめサイズなどのカーディガンはNGと判断されてしまうかもしれません。
ルーズすぎるデザインではだらしがないルックスになってしまいますので、なるべくボディラインに沿うサイズの物を選択するようにしましょう。それに、寒さ対策として用いるのならばフィット感のあるデザインの方が冷気も入り込みにくく、暖かいです。
カラーチョイスの仕方も大切です。職場の雰囲気や会社の許容範囲によって選択の仕方が違ってきますが、無難なのはやはりネイビー系やグレー系の物です。事務服は従業員の気持ちを統一することだったり、会社のイメージを作るためというのも目的の一つですので、目立つ色合いのカーディガンではその雰囲気を壊してしまう恐れがあります。
それがOKとされる職場なら良いものの、相応しくないと考えられる可能性もあるため、なるべく冒険は控えた方が良いでしょう。ハイブランドを選んでしまうのも、気を付けたいポイントのひとつです。もちろんブランド自体に問題はなく、プライベートならどんな物を着ようと自由ですが、職場となると事情が違ってきます。
悪目立ちをしてしまう可能性もあり、シンプルなデザインだろうとブランド物をチョイスした神経を良く思われないこともあるかもしれません。あくまでも寒さ対策としての活用を重視し、ファッション性を求め過ぎない点に注意しましょう。
総合的な冷え対策が大切
カーディガンの有無によって冬場の寒さの感じ方は随分と違ってくるはずです。しかし、上半身を暖かくしただけでは冷え対策として不十分とも言えます。
特にスカートの事務服の場合は露出の分、下半身がどうしても冷えやすくなりますし、結果的に体全体の体温が下がってしまうでしょう。上手に冷えと付き合うには多角的に対策を講じていくことが大切です。カーディガンを着用することをはじめ、ひざ掛けや腹巻なども活用すれば、より体を暖めることができるはずです。
また、あまりにも寒い場合は上司などに相談してみるのもおすすめです。寒さを感じる窓際から移動させてもらえたり、暖房を見直してくれたりするかもしれません。自分だけが働くわけではないため、ついつい我慢をしてしまいがちですが、同様に他の人も困っていることもあるはずです。
周りにも寒くないか確認しつつ、労働環境を変えられないか相談をしてみるのも有効な手段です。